1通のメール

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誰も見ちゃいないのなら、こんな凶行に出たって気付きはしないだろう。 いっそこのまま、少し苦しんであっさり存在を消してしまえば。 誰かは、振り向いてくれるんじゃないかな。 そう信じたいな……。 震える手で僕は、タオルを首に巻きつけようとした。 だがその途中、さっき投げ飛ばした携帯が再び震える。 1回で振動は終わり、それがメールだと悟った。 僕の携帯に届くメールは、キヨマサしかいない。 そうわかっていても僕は、その携帯に手を伸ばす。 だが画面を見ても、そこにキヨマサの文字は1文字も無かった。 件名も無いし、本文も1文だけ。 だけどこのメールアドレスには、見覚えがある。 僕の、アドレスだった。 バグか? そもそも、僕のアドレスで送れるはずがない。 誰か僕のアドレスを作って送ってきたのなら、話は別だが。 だけど本文には、その考えを一瞬で吹き飛ばす内容が書かれていた。 『君は、そのままでいいんだよ』 送信日時は、15年後の今日。 さらにメールに添付された、1枚の画像。 それは明らかに、僕自身だった。 少し大人びた僕と、隣には子供を抱きかかえた女性。 何が、どうなってるんだ?
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