祝賀電報

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〇〇大学への道のりは最寄駅を降りて徒歩15分程度 くそ~、なんでよりにも寄ってセンター試験の日なんだぁ~っ………休めねぇじゃんかよ~っ…… そこまで車通りの多くない緑が多い街 そんな印象なのだが、駅の階段を降りた俺は周囲の警戒を怠らない 下校途中と明記されていても、そこまで信用出来ない 少し内容は変わるが結果は同じ そんな事はテストの時に体験済みだ 修学旅行?あぁ、遭難したさ……なんせ、北海道なんだからスノボーもするだろう…… フェンスを破り、知らない新雪の上を急降下……マジで死んだと思ったが、落ちた所が新雪でよかった…………行かなきゃいい話なんだが……行きたいよ、修学旅行だもの………でも、遭難対策はバッチリさっ……これだけは得した気分…… 「ハハハハッ!!……山紫(やましき)本当にビクビクしてるじゃんっ!!……」 階段を降りた先に居たのは俺と同じ制服を着た男子生徒1人に女生徒が2人 高笑いをしているのはショートの茶髪に黄色いヘアピンをした女生徒だ 「あぁ~、そう言えば今日あいつの命日だったなぁ……」 そう冷静に答えるのはショートの黒髪にメガネを掛けた男子生徒 「水明(みかげ)君も一望(かずみ)ちゃんも……まだ山紫君死んでないよ?……ダメだって試験前にそんな事言っちゃ……」 少しおどおどしながら答えたのは 2人の真ん中に位置するセミロングの黒髪と黒縁メガネが特徴の女生徒だ 俺はため息混じりに答えた 「お前らな……少しはこっちの身も考えろよ……ここまで来んのにどれだけ神経使ったか……」 「だっ、大丈夫?山紫君……」 「確か死ぬの下校途中でしょ?……大丈夫じゃん……」 「まぁ、せいぜい俺たちを巻き込まないでくれ…」 「お前ら千里(ちさと)を見習えっ……」 軽い挨拶を交わすと4人は大学へ向けて歩き出す 水明(みかげ)、千里(ちさと)、一望(かずみ) この3人は小学校……いや、幼稚園時代からずっと一緒に居る……中学はもちろん、高校も一緒だ…………当然、俺の予言の内容も知ってる……
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