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引き出しの奥から取り出した昔のスマホ、古い充電器で充電をしながら、電源を入れる。
ずっと存在を忘れていた。
電源が入ると同時に、なん十通というメールが立て続けに受信される。
アドレスはどれも同じ、
『30年後の私』だ。
その時、当時のメールが記憶の中から蘇った。
『初めはよかったのよ。』
『なんの副作用なのか。』
この黒い点も、まさか副作用?
未読メールをスクロールして、一番新しいメールを開封した。
受信日時は、今日。
しかも、今さっきの時間だ。
件名:(無題)
本文:
ばか
そこには、写メが添付されていて、
全身が巨大な干し葡萄のように、
黒くしわがれた物体が自撮りした写真だった。
あああぁぁっっっ!!
スマホを落とした私は、
ぼろぼろと涙をこぼしながらしゃがみこんだ。
過去も未来も今も、
すべての自分を呪った。
『30年後の私』まで、
あと数年…。
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