2人が本棚に入れています
本棚に追加
そう聞かれると彼女はフムと真剣に悩む｡
だがしばらくすると納得できる答えが出たのかニッ､と微笑んで私を見る｡
｢私なら話します｣
｢……へぇ､なんで?｣
｢締め切りと同じです｡人間締め切りが決まってた方が仕事がはかどりますし､締め切りがわかれば計画も立てられるでしょう?｣
それに､と演技っぽく一回転して彼女は私にズイッと迫る｡
鼻腔をくすぐられる｡
｢お互い悔いなく過ごしたいじゃないですか｡もっと遊びたかった､もっと一緒にいたかったって思うくらいなら一緒にいればいいんですよ｣
その言葉と一緒に出た笑みは眩しくて
｢……そっか｡そうだよね｣
私の悩みなんて吹き飛ばしてしまった｡
だから､決めた｡
残酷な現実に向き合うと｡
｢貴女が何なのかわかったよ｣
｢えっ､えっ!?ホントですか!?｣
｢多分だけどね｣
そこで私は息を吸った｡
｢竹の精霊､なんだと思う｣
最初のコメントを投稿しよう！