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翌日、私は市立図書館にいた。ここの周辺の事件を一応調べようと思ったからだ。
もちろん見つかるわけない。まぁ予想はしてたよ。着物の幽霊なんて昭和以前のレベルだろうし、人がいなくなる度に記事になってたらきりがないからね。
けど、ここの地理なんかはわかった。あそこの竹は孟宗竹らしい。どうでもいいけど。
「ってわけでまったくヒントはなかったよ」
「孟宗竹……、知りませんでした……」
私が調査結果を報告してハァ、とため息を吐いても彼女は何のその。どこか時間がずれてるような気もする。
「花開くこともあるのでしょうか?」
「あるにはあるけど67年周期らしいよ。私がおばあちゃんになるときに一回あるかどうかだね。咲いたら枯れるらしいし」
「……見てみたいものですね。どんな花が咲くのでしょう?」
「見たことないの?」
「えぇ、記憶する限りただの一度も」
ということは案外最近の人なのかもしれない。ちょっと最後に咲いた年を帰ったら調べてみよう。
「それにしても楽しいですね。人とお話しするのはたぶん初めてです」
「えっ?ないの?」
「皆さん、聞こえないので」
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