第1章

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そういえばそうだった、と思う。平然と話しているから忘れそうだけど彼女は最初に私が見たことを驚いていた。 誰にも見えない、聞こえない。それはどれだけ辛いことなのだろう。 彼女は自嘲気味にフフッ、と笑う。 「おかげで竹たちしか友達はいませんでした」 「じゃあ今は私も友達かな?」 何の気なしにそう言うと彼女は見開いて私を見る。 そしてその顔は徐々に破顔していき 「そう……ですね!友達ですよね!」 「おおう、テンション高い」 「初のお友だちですから!」 グイグイと迫ってくる。キラキラとした深緑の目も相まって可愛らしい。 白く薄いフワッとした髪が鼻をくすぐる。超近いんだけど。こんなところにいたせいか草木みたいな優しい薫りがするし。 「近い近い」 「す、すみません。邪魔でした?」 「ちょっとだけ」 「はぅ!うぅ」 「冗談だから、……竹を割ったような性格とは言えないんだね」 「友達も皆割れてませんし、それにさっぱりした貴女の方がそんな性格みたいですよ?」 ウフフ、と上品に微笑む彼女は輝くような女性だった。 ただ、残念なことに私はガサツで姉御力高い女子なだけだったり。つまり彼女は私と対極だね。
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