第1章

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さて、最終的に明日も会う約束をして家に帰ってきた私はさっそくパソコンで調べる。 驚くべきことに周期的には今年らしい。なるほど、67年前からか。ぜんっぜん参考にならないね、竹について詳しくなってくばっかりだ。 はー、とため息を吐きながら天井を見ると頭に血が巡る。 --孟宗竹--記憶喪失--着物--見た目と年は違う--緑の眼--花開けば枯れる--竹林から動けない--人に見えない聞こえない--67年--死因らしき外傷はない--無邪気--流れる時間が違う--少女--一人ぼっち--竹を割ってない性格--どこか欠けた知識--急に現れる--純粋-- 目の前で言葉が踊る。 ゆらゆらとアイデアが浮かんでは消える。 頭の中である一つの考えがまとまる。 そしてその答えに行き着いた瞬間私は悩んだ。 67年。残酷なその意味を伝えるかどうか。 友達だ。たとえ数日しか会ってなくても。親友といってくれた彼女は。 彼女は 彼女は? 名前もなく、姿もなく、そこにいただけの存在で、最後に咲いた花をどうしたらいいんだろう? 私はどうしたらいいんだろう? 答えが出ないまま私は眠りについていた。
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