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考えないようにしようって思えば思うほど、僕は空回りをして。
ああ。母親になる人にも失礼な態度だったと思う。
愛理さん(白井くんも名前呼びしてた)は、父さんと同じ出版社に務めていて。
今は違うけど、以前同じ部署に働いていてそこからの付き合いらしい。
父さんはいつも不規則で大概遅い時間にしか帰ってこないから少しも気付かなかった。
上の空状態だった僕に嫌な顔すること無く、接してくれる。
時折、見せる笑顔が白井くんそっくりで。
親子2人して、似てる人に惹かれるなんて。
そんな事を思いながら、この食事の時間を過ごした。
僕がボケッとしている間に、話はどんどん進み。
とりあえずは、夫婦別姓。
お互い年齢も年齢だから、式は挙げない。
一週間後に、父さんと僕が暮らす吾川家に、白井親子が引っ越してくる。
そんな事が、次々と決定していった。
僕自身は、まだ、この事実を受け入れられないのに。
僕と白井くんは、兄弟となり。一緒に暮らすことになってしまった。
どうしよう、これから………。
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