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それからの一週間は、本当に慌ただしかった。
白井くんが入る予定の、空き部屋の掃除。
愛理さんは父さんの部屋に入るから、父さんの荷物の整理。
2人ともベッドを使用してるって聞いたから、今まで布団派だった父さんは思い切ってベッドにした。
ともなると、そのベッドが入るスペースを確保しなきゃならない。
父さんは父さんで、いつも通り仕事が忙しくて、結局ほとんどの事を僕がした。
この年になって、親の部屋の整理って………っ。
それでも、そうやって今までいなかった誰かのスペースを開ける事が思いの外楽しくて。
白井くんの部屋を作るのも楽しくて。
まあ、作るって言っても、カーテンを付けるぐらいなんだけど…………。
それでも、好きな色を聞けたり。連絡取りやすいように番号交換したり。
今まで知らなかった情報が一気に入ってきて、浮かれる自分がいる。
僕が振られたという事実は変わらないのに、伝えてしまったことすらまるで嘘だったように感じる。
それだけ、白井くんは僕に対して普通に接してきて。
そして、僕も普通に接していた。
そうやって過ごした一週間はあっという間に終わって。
とうとう、白井くん親子が僕たちの家に引っ越してきて。4人の生活がスタートした。
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