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「私で力になれるのでしたら」
高月様の手伝いなら、嬉しくて私は頷いていた。
この方に好意を寄せ始めたのは、奥様が屋敷に来る前の随分前でした。
あの日は、今と違って真夏日の日のこと。
メイドとして雇われ入り立ての頃、私は失敗もなく業務に取り組んでいました。
『新人にしては頑張っているみたいだね』
お屋敷の掃除に取り組む私に声をかけてくれたのが高月様でした。
今と変わらない優しい笑顔を私に向けてくださりました。
当時、18歳の私は高校卒業してすぐにこの屋敷に来て先輩方に教わりながら雑務をしていて。
黙々と働く私に高月様が感心を向けてくれたのが少し嬉しかった。
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