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まだ子供の私を時には叱ったり、優しく接してくれるあの人に次第に惹かれている自分に気づくのはそれほど時間はかからなかった。
恋することは中学生以来で、かなり久しぶりだったと思う。
それが確定付たのは私が体調を崩して寝込んだときだった。
熱が中々下がらなく、息が苦しくて中々寝付けないときあの人が様子を見に来てくれた。
『大丈夫か…?』
声を出すのもしんどくて、頷くしか出来ない私に高月様は心を痛めた様な顔をした。
『…大丈夫じゃないでしょう。あれほど、無理はするなと言ったのに』
『……す、い…せん』
謝ろうとするけど声が思うように出ず、枯れたような掠れた声が出てしまう。
『謝らなくていいよ。今日は暇を見て看病するからゆっくり休みなさい』
『……』
熱で頭がぼんやりしてきて、目蓋が重い。
意識が薄れていく私に高月様は優しい手つきで前髪を撫でてくれた。
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