第1章

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月島時雨(つきしま しぐれ)俺はヒーロー憧れている 20にもなって何を言っているのかと思うが 颯爽と表れて変身し、悪をばったばったとなぎ倒す。 そんなヒーローに憧れ、いずれはそうなれるように、筋トレ、ランニング、空手、柔道、合気道と日々努力を重ねている だが、ひとつ問題がある 肝心の変身ベルトがない! 変身ベルトがなくては、ヒーローとは呼べない……いくら強くてもそれは、ただの善良な暴力市民なだけだ 「なんとかして変身ベルト……いや、変身アイテムならなんでもいいんだが……」 「ふっふっふ、お困りのようでつな。月島氏!」 俺のすんでいるボロアパートの部屋の扉が開けられ、でっぷりと太り、丸眼鏡をかけた男が入ってくる 「お、お前は、お隣さんの引きこもりのダズ!」 この男は、俺の部屋の隣に住んでいる同じ大学の同期のダズ…まぁ、今は大学に行かず部屋にこもって何か機械を作ってるらしいが、詳しくは知らない…………だってお兄さん文系だし! 「引きこもりでは御座らぬ、ちゃんと仕事してるで御座るよ!」 「あ、とりあえずお茶でも淹れる」 俺はそう言ってお湯を沸かす 「あ、これはどうもで御座る…だってって、そうではないで御座る。今日はとっておきの知らせを持ってきたで御座るよ。デュフフwww」 「とっておきの知らせ?」 「ついに…ついに例のものが完成したで御座るよ。やっぱ僕は天才だお」 はて?………俺、ダズになにか頼んでたっけ? 心当たりがなく、首を傾げる
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