第2章

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「させないポヨ!皆!変身ポヨ」 な、なんだあの生き物は…… ピンク頭の側にふよふよと浮かぶ……クリーム色のぬいぐるみの猫か犬かよくわからない生き物がそう言う 「「「「うん」」」」 「「「「「キューティー・マジカライズ」」」」」 5人は、派手な装飾のされた携帯を取りだして上に掲げてそう叫び、両手を胸の前で腕を交差させるように伸ばす すると、七色の光が溢れだして5人の姿を隠す 「咲き誇るハート!キューティーアスター!」 「燃えるハート!キューティーオレンジ!」 「轟くハート!キューティーカモミール!」 「奏でるハート!キューティーリーフ」 「流れるハート!キューティーアルカネット」 「「「「「マジカル・キューティーズ」」」」」 ピンク、オレンジ、イエロー、グリーン、ブルーの順番に、フリルやハートの装飾の施されたドレスを身に纏い、順番に自己紹介していき、最後に5人呼吸を合わせて名乗るマジカル・キューティー 今、小さい女の子(と、一部の大きいお友だち)に大人気のヒーローだ。 蚊帳の外にいる俺が今さら出ていくのも、あれなので、物陰からこっそりと様子を見ている事にする。 それにしても自己紹介長いな、敵も律儀に待ってるし……なんというか、緊張感がないよな。戦いの緊張感。 そんなことを考えながら見ていると、戦いも終盤にさしかかり5人が集まって手を繋ぐ。 「キューティー・マジカライズ・ファイナルストレート」 5人同時に叫ぶと、巨大なビームが上空から降り注ぎ、ザケンナーを消滅させる 必殺技だけはすごいな…オーバーキルにも程があるぜ… 「くっ、覚えてなさい!次こそは必ず!」 露出の多い中学生は、そう捨て台詞を残して消え去る 「……とんだ茶番だ…」 俺は、変身をといてランニングを再開する
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