第2章

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その帰り道 「ぐすっ……うぅ……」 公園のベンチに座って、泣いている少女を見つける……っていうか、この露出の多い格好って、さっきキューティーマジカライズに負けて逃げ帰った子だよな 負けたのが悔しくて泣いてるのか……? 「………」 そのまま素通りして行こうかとも思ったが、いくら悪とはいえまだ小さい女の子を放っては置けないので、女の子に話しかける 「嬢ちゃん、こんなところで、なんで泣いているんだい?……どこか、具合でも悪いのか?」 「違うの………自分が……情けなくて……」 「情けない?」 「命令されたことを何度も失敗して、怒られて……偉そうにしてるくせに、一人じゃなにも出来なくて……自分が嫌いだよ」 「……いいか、一人じゃなにも出来なくて当然だ。まだ子供なんだから。これから成長していくんだ。それに、失敗は悪いことじゃない。失敗からは多くの事を学ぶことができる。どんなに優れた人も、失敗を繰り返して、そこから学んで成長してきたんだから。」 「………」 俺が言うと、黙ってうつ向く少女 「あと、君には悪いことは向いていない。君、根は真面目で優しいだろ?」 「え……それって……」 少女は驚いたように顔を上げる 「……さっきやってたこと、楽しくないだろ?」 すこし、お節介がすぎるかもしれないけど……この子はどうしても悪い子には見えない 「…………見てたの?」 「まぁ、ちらっとな。あと、いくら蒸し暑いからって、流石にそんなギリギリまで露出した格好はダメだぞ」 「す、好きでしてるんじゃない……この格好だって、さっきの事だって………あ」 「本音が出たな……嫌ならやめればいいじゃないか。どんな理由があるかわからないが、嫌なことをやらないのは子供の特権だぜ?」 もっとも、やらなきゃならないことをやらないのはダメだが
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