38人が本棚に入れています
本棚に追加
/60ページ
その帰り道
「ぐすっ……うぅ……」
公園のベンチに座って、泣いている少女を見つける……っていうか、この露出の多い格好って、さっきキューティーマジカライズに負けて逃げ帰った子だよな
負けたのが悔しくて泣いてるのか……?
「………」
そのまま素通りして行こうかとも思ったが、いくら悪とはいえまだ小さい女の子を放っては置けないので、女の子に話しかける
「嬢ちゃん、こんなところで、なんで泣いているんだい?……どこか、具合でも悪いのか?」
「違うの………自分が……情けなくて……」
「情けない?」
「命令されたことを何度も失敗して、怒られて……偉そうにしてるくせに、一人じゃなにも出来なくて……自分が嫌いだよ」
「……いいか、一人じゃなにも出来なくて当然だ。まだ子供なんだから。これから成長していくんだ。それに、失敗は悪いことじゃない。失敗からは多くの事を学ぶことができる。どんなに優れた人も、失敗を繰り返して、そこから学んで成長してきたんだから。」
「………」
俺が言うと、黙ってうつ向く少女
「あと、君には悪いことは向いていない。君、根は真面目で優しいだろ?」
「え……それって……」
少女は驚いたように顔を上げる
「……さっきやってたこと、楽しくないだろ?」
すこし、お節介がすぎるかもしれないけど……この子はどうしても悪い子には見えない
「…………見てたの?」
「まぁ、ちらっとな。あと、いくら蒸し暑いからって、流石にそんなギリギリまで露出した格好はダメだぞ」
「す、好きでしてるんじゃない……この格好だって、さっきの事だって………あ」
「本音が出たな……嫌ならやめればいいじゃないか。どんな理由があるかわからないが、嫌なことをやらないのは子供の特権だぜ?」
もっとも、やらなきゃならないことをやらないのはダメだが
最初のコメントを投稿しよう!