第2章

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「(え……あれ?……お兄さんが……え?女の子に……あれ?…え?…あれ?……)」 「……ぷっ……ブハハハハハハハハハ!ハーッハハハハハハ!なんじゃそりゃ、カッコつけて変身したと思ったら、随分と可愛いらしくなったな!」 未だに何がどうなっているのか理解できない少女と、腹を抱え、爆笑する狼男 「笑ってられるのも今のうちだ、正体を知った以上は……確実に殺る」 俺は、指の関節をならしながらそう言う 「ハハハ!そんな可愛いくなって、やれるもんならやってみ「オラァッ!」ぐふぉぁ!」 俺は、油断している狼の顔殴り、地面にめり込ませる。 「オラオラオラオラオラオラオラァ!」 さらに間、髪をいれずに顔面ラッシュで追い討ちをかける 「…………お…ご…」 顔にアザをいくつもつくり、もう既に戦闘不能になっている狼男 「おい、まだ10発も殴ってないぞ?」 「も……もう……かんへんひへふへ…」 顔が腫れ、上手くしゃべれない狼男が命乞いをする 「あの子の弟を返せ」 「か、返す…返すよ…」 狼男はそう言うと空間を爪で切り裂き、そこから5歳位の男の子を取り出す 「晃っ!」 その男の子を見た少女が、そう叫ぶ。弟本人で間違いないらしい 「こ、これで勘弁してくれよ」 「言ったはずだ。正体を知った以上は……確実に殺ると」 「ひっ………」 恐怖に震える狼男 「歯ぁ、食いしばれ!…オラァッ!」 「……あ…あ…」 俺は、最後の一発は顔の真横に放ったが、狼男は恐怖のあまり泡を噴いて気絶する 「お前を倒すのは……俺の役目じゃない」 俺は、そういって変身を解除する 「さて、お嬢ちゃん。これで、手を貸す理由はなくなったな」 弟をベンチに寝かせて、少女にそう言う 「……でも、私にはもう、帰る場所が」 まだ、自信が持てないのか不安そうに言う
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