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「帰る場所なんてものは、自分で決めるものだ。どこかにきっと、お嬢ちゃんの居場所がある。お嬢ちゃんがそこに居たいと強く思うところが帰る場所になる」
「……自分で…」
「ああ……きっと、すぐに見つかる筈だぜ」
俺は、少女にそう微笑み頭を撫でてその場を立ち去る
「私の……居たいと思うところ……見つかるかな………」
◇◆◇◆
後日
ピンポーン
大学から帰り、洗濯機を回しているとインターホンが鳴ったので、玄関に向かう
「はいよー」
「あ、わたし、このアパートに引っ越してきた朽木柚子(くちきゆず)です」
玄関を開けると、中学生くらいの女の子が立っていた
「ん?……お前は……」
どこかで見たと思ったら……この間の露出中学生じゃないか?
「……あのときお兄さん!」
少女も気づいたらしく、驚いている
「やっぱあのときの……弟は無事か」
「はい、おかげさまで……今は病院に入院してますけど」
「そうか……よかったよかった」
「あ、あの……これつまらないものですけど」
柚子はそう言って手に持っていた引っ越し挨拶品を渡す。
「ああ、わざわざ悪いな……上がっていくか?」
「いえ、これから転入手続きをしに中学校に行かなきゃいけないので……」
「そうか、まだ中学生だったな……これから、新しいスタートというわけだ」
「はい!それじゃあ、私はこれで」
柚子は輝かしい笑顔で返事をし、そのまま学校に向かう。
最初会った時とは大違いだな……
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