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「私が獄炎隊長と戦います。」
「えぇ!? 俺も一度しか会ってないけど、あのごつい隊長だろ?」
そう相手は国王警備隊の隊長だ。まったく勝てる気はしないが、時間稼ぎになればいい。
「んだば、オラがルセテと一緒にいくべ。」
「ダメです。アルトちゃんは蓮さんと共に闘技場に行かなくちゃ。それが龍王様の計画なんですから。それに、凛子さんや直樹さんにも駆けつけるようメールでお願いしましたので、とにかくお二人は闘技場に入ることを優先で行動しましょう。」
私がアルトちゃんから蓮さんに視線を移すと、蓮さんは私を真っ直ぐ見ていた。
気恥ずかしい気持ちもあるが、ここは外す訳にはいかない。強い意志を持って蓮さんの瞳を見返した。
「――わかった。ルセテに任せるよ。」
たった一言だが、仲間として認められたという想いが私の中にある灯火をより強く光らせた。。
「では、時間がありませんので。闘技場でお会いしましょう。」
私は右のルートへと向かっていった。
この国の序列で言えばメンデル、アイザックに次ぐ三番目の強者である獄炎と戦うことになるはずなのに、不思議と私の足取りは軽かった。
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