ルセテの目的

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だが、切ったはずの電源がすぐにまた入る。 『いきなり切るんじゃねーよっ!』 喋った。人工知能だろうか。私が電源を切ったことも認識している。 「えっと……。」 しどろもどろする私に構わず、赤鼻のトナカイらしきキャラクターは喋り始めた。 『やっと見つけたぜベイビーちゃん! 俺様の名前はポルンだ。よく覚えとけっ!!』 最新型の機器はコンシェルジュ機能までついているらしい。それにしても馴れ馴れしいキャラ設定だ。私は設定を変えようと操作したが、反応しない。 『おいおい。ノリ悪いなぁ、ルセテちゃん。』 「えっ……。」 AIキャラクターが話し掛けてきた!? 『ずっと探していたんだぞ。あーあれか。旧型使ってたんだな。ったく、蓮のやつも抜けてっからなー。大事なとこ言わねーんだアイツ。』 「れ、蓮さんを知っているんですかっ!?」 『あん? 知ってるも何も初期世界では、俺様をリーダーに蓮や美咲、哲二、修司、柚葉で"ポルンとその下僕たち"っつーチームを組んでいたんだぜ。その名を聞いただけでどいつもこいつもしょんべんちびって逃げ出しちまうような極悪のチームさ。』 「下僕たち……?」 意味もなくポーズを決め、せわしく動き回るポルンという人物(動物?)が語る名前、その全てに聞き覚えがあった。 『なんだその顔は。蓮に頼まれたんだよ。帰り際にドラゴラン王国のルセテと協力してくれってよ。西山直樹でも良かったんだけどあいつの近くに電子機器がねーからなぁ。』 「えっ、蓮さんと会ったんですか!?」 『かなり前だけどな。えーと、326日と16時間43分前だったな。』 回りくどい、機械的といえばそうだが。そのポルンが言った数字を頭の中で逆算する。龍王の洞窟へ入ってから数日後だわ。 私はポルンという人物にさらに色々と質問をした。
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