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『やっと理解したか』
三日後のハワードとの戦闘を助けて貰おうかとも考えたが、オーラ兵器のないこの国では文字通り宝の持ち腐れだ。
それでも、尚、この初期世界からエタンセルへと蓮さん達を導いた凄い人物に助けを乞うことにした。
そうだ。私はいつの間にかこのおかしなトナカイを信じている。
恐らくそれは彼が語る蓮さんが、私の知っている蓮さん像とリンクしているからだろう。
「ポルン様、お願いがあります。」
『ポルン……様? な、なんだよ、お願いって。この俺様はそう安くはねーぞ。』
「三日後、私は格上の人物と戦うことになっておりまして。是非、ポルン様のお力をお借りしたいのです。」
『なーんだ。そんなことかよ。俺様に任せとけば、あ、待てよ三日後は――。』
この後、ポルンが語った"三日後の情報”は、国を揺るがす程重大なものだった。
「本当ですかっ!?」
『そんなに驚くことか? ボガード軍がちょっと船でやってきて龍王の洞窟を占拠するだけだぞ。』
「そ、そんなことしたら、メンデルが黙っているわけありませんよっ! 間違いなく戦争になります。」
『そりゃあそうだろーな。戦争しにくるんだから。でも、勝負になるとはとても思えねーけど。』
「ど、どうしてですか?」
私はポルンに食って掛かった。もちろん、愛国心からではない。妹達や仲間の安否を心配してのことだ。
『どうしてって、冷静に考えてみろよ。この国、唯一の武器だっつー地形効果は攻略されちまったんだろ?』
「でも――」と、言いかけて気がついた。宝具だ。ドラゴラン王国には宝具がない。そして私は今、自国の脅威である宝具と話していたんだと。
『わかったようだな。こっちには宝具が二つもあるからな。それに領土も領民数を圧倒的に上だろ。』
ほんの数分前までは、三日後にある自身の生死を賭けた戦いの心配をしていたはずなのに、今は国の存亡に関わる重大な秘密聞いてしまい頭がどうにかなりそうだった。
私はどうすべきなのか。
いや、どうしたいのか、だ。
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