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『このスキルはデータにねぇぞ。周囲に意識を――あっ、し、下だっ!!!!』
私の足元に広がる影が膨らみ、そこから四本の骸骨の腕が伸びてきて左右の足首を掴んだ。そして、その腕は私の足をよじ登り、子供の骸骨という全体像を現し、私の両足にしがみついた。
『その場から離れろって!』
「無理です。動けませんっ!」
質量的には動かせないはずがないのに、どんなに力を込めても左右の骸骨は微動だにしなかった。そこへ、ここぞとばかりに得物を振り上げ向かってくるハワード。だが、本当の脅威は上空にあった。
『う、上だ上っ!』
見上げなくとも、モニターには上空で完成されつつある巨大なギロチンが映っていた。
『俺はハワードの攻撃をどうにかする。ルセテお前は上をっ!』
【衝撃波】発動。
接近しつつあるハワードが肥前忠広を振り抜くと斬撃が衝撃波となって飛び出した。
ポルンを信じ居合斬りの構えを取り目を閉じたが激しい衝撃波が襲う。それでもスキル【木火土金水】のお陰でどうにか耐えることができた。
間を置かず上空のギロチンが風切り音と共に落下。私は凛子さんに教わった通り、気配だけでそれを察知し、三日月宗近を引き抜いた。
「やぁぁぁぁぁっっ!!」
見開いた私の眼前で、 ギロチンの刃と刀身がぶつかり合う。名刀の能力はやはり素晴らしく、柄から伝わる感覚はおおよそ鋼を斬ったというそれとは違って軽かった。
喜びもつかの間、振り上げ伸び切った私の胴体にいつの間にか接近したハワードの得物が横切られてくる。逃げようにも足が固定され動けない。
大振りの強振。スキル【木火土金水】の防御力でもこれは無理だ。
死ぬ――そう思った瞬間、下半身を固定していた骸骨が弾け飛ぶ、さらに私を薙ごうとしたハワードの全身に多方面から銃弾やレーザーが浴びせられた。
ぐらりとよろけ頭が下がったハワードの首筋が目の前に。再び私は得物を振り上げた。
「待てっ!!!!」
アイザックは叫ぶと同時に短剣を投げつけた。それを三日月宗近で弾いた時には、既にハワードは私から距離を取っていた。
「誰ですか。決闘の邪魔をしたのは。」
『がはははは。俺だよ俺! このポルン様がこの会場にわんさかある携帯用のオーラ型兵器を操ったんだよっ!!あ、俺の声は聞こえねーのか。がはははは。』
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