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ポケットにしまい損ねたスマートフォンを握りながら顔をあげ、何が起きているのか確認しようとしたが 私の視界に写ったのは見えると思ってた道路でも人でもなく 雲一つない澄んだ空だった。 体が宙に浮く感覚。鳥にでもなった気分 しかし、実際鳥じゃないので勢い良く地面に叩きつけられた。 何が起きたのか正直私は分からなかった。 状況が把握できなかった。 体中が痛い。ぼやける視界に多くの人達が私に駆け寄るのが見える。 そこで私は理解した。私は車に跳ねられたのだと。 それを理解した瞬間に私は死を察した。体が冷えていくのが分かった。 あぁ、私は死ぬんだな。短い人生だったなぁ… 『大丈夫。私は生きてる』 諦めてかけていた私の頭にそのメールの文が浮かんだ。 未来の私からのメール。 今この状況になって私は理解した。 未来の私の考えを知った。 未来の私もこの事故にあった。生死を彷徨ったんだ。 でも生きてる。未来で私はちゃんといきてる。 きっと、未来の私は生きることを諦めそうになってるこの今の私にメールをしたんだ。私が未来まで生きるために 霞む視界を遮るように瞼を閉じ私は言った。 「大丈夫。私は生きるよ」 弱々しくもハッキリと強い気持ちを込めて未来の私に届くように呟いてから私はゆっくりと意識を手放した。
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