植物

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カープ・グラナタム 薬用・食用となる落葉低木。通称「紫榴」。 種を覆う種衣が食用となり、種子からは種子油が採れる。果実の芯には余剰塩分を蓄えるため、土壌の塩分を排出しつつ塩を抽出できる。 木質は硬く、特に床材として有用。 樹皮・根皮・果皮は腸に寄生する寄生虫への駆虫薬となる。薬効は樹皮≧根皮>>果皮となり、果皮は嗽(うがい)薬となる。樹皮、根皮では薬効が強すぎ、嗽薬とはならない。 樹皮と根皮はそのままでは薬効が強すぎるため、7~8時間程水に晒した物を使う。それでも多いと転じて毒となるため、注意が必要。果皮は薬効が格段に低く、その分大量に摂らなければ問題ないために無加工で用いられる。 花は止血作用があるが単体では使われず、傷薬の材料となる。 樹皮を乾燥させた物は「紫榴皮薬」、根皮を乾燥させた物は「紫榴根薬」、果皮を乾燥させた物は「紫榴果薬」等、頭に「紫榴」と付いていたら、原料はこの植物である。 このように殆どの部位に需要があり、病害虫にも強いとあって、栽培が盛んにされている。しかし乾燥に弱いので、温暖湿潤気候でなければいけない。多くの場合は15年かけて成長させ、根っこから引き抜く。実がつくのは樹齢10歳以降となり、年に1回収穫できる。紫色の実は、ザクロに似ている。 魔力によって変質した近縁種「赤榴」、過酷な環境に適応した近縁種「黒榴」が知られる。
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