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「後ですね、たったの三十里足らずですよ~~
なぁんて、昔の人は軽いわよねぇ~
本当に足が棒になりそうよ!」
キーコはそんなことをぶつぶつ言いながら、一向(ひたすら)アニーへと繋がる道を歩いていました。
「アニー! 何で結婚なんかしたのよーーっ!
子供まで拵(こさ)えちゃってさ……
ぅわぁんーーーっ!
あたしが過去へ行こう、何て言わなきゃ良かったんだよ~~」
陽もだいぶ傾いてきました。
「ぅわぁんーーーっ!
今夜は何処に野宿すればいいのよ、寂しいよ~~」
キーコは、お百姓さんの家に泊めてもらおうと思いましたが……。
「いちいち説明すんのも面倒臭いしぃ」
そのうち適当な寝床を見つけたのでした。
「あ~~~
ここならお星様も良く見えるし……
何よ! さっきからブンブンブンブンって五月蝿い蚊ねぇっ!」
と、喚きながらその蚊を鷲掴みにしたのでした。
「何よこれ……
蚊にしちゃ大きいわね?
長い耳があるわ?」
キーコは掴まえた物を摘まんで、目の前に寄せました。
「ふぅ~~ん
うさぎに似てるけどぉ 足がキャタビラだわね……アハハ
まるでディダムとキュリオシティを足して割ったみたいだわね………
ええっ!」
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