第1章

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いつも通ってる通学路 その途から一本奥に路地裏がある 小さい時は好奇心で何度も通りたくて姉に叱られた 『行っても良いこと無いの!』と言う姉は怒ってると言うより悲しそうな顔をしてた 私も中学生になって姉とは帰らなくなった 家は父子家庭で姉と三人家族 「はぁ……はぁ……」 いつもより早く学校が終わり姉の手伝いでもしようと家へ急いでる途中にあの路地が見えた 早く家に帰ろうと思うのに足が路地裏に向かってた そこは住宅が入り乱れた普通の路地で直ぐにいつもの道に繋がってた 「なんだ…普通の路地裏か…」 そう思って道を抜けようとした時、女の人の笑い声がした その声は記憶に残ってるお母さんの声に似てた 辺りを見ると窓の開いた部屋から声の主が見えた 男の人と寄り添って笑ってる母親だった人 「……本当だ、良い事……無いね」 私は静かに道を抜けた
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