4、群盲評象

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◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 俺たちはお互いに大きく伸びをしていた。ラジオ体操をしている訳でなく、長時間同じ姿勢でいたので体が固まってしまっていたからだ。 「はぁー、ようやく解放されたぜ……。しっかし何だったんだろうな?久」 「さあな。ま、疑いが晴れたんだからいいだろうさ」 お互いに言葉を交わす。そうしてお互いの顔を見て、疲れた顔ではあとため息をつく。 あ、そういえば寛が最近になって俺を久と呼ぶようになった。「仲良くなったから」とのことだが、どうも真意が読めない。 そんなことより、だ。やはり身内に疑われるのはあまり気分がいいとは言えない。まさか刑事になって”警察の取り調べ”を受けることになるなんて。 俺たちは数時間前にある取調室に呼び出されていた。首をかしげつつ俺たちがその部屋に入ると、そこに立っていたのは何度か顔を合わせている捜査一課第3係の高山良士警部補、そしてその第3係の警部にして”氷の女”と畏怖される藤峰杏子さんがそこにいた。 すると藤峰警部が鋭い視線をこちらに向けながら俺たちを見ると、 『あなたたちの話は高山警部補から聞いています。私の事はご存知ですね?』 俺たちが表情を強張らせながら頷くと横から高山が、 『氷の女、超が付くほど真面目な”冷血才女”、年上の警部ですらたじろぐ威圧感で未だに独身43歳……』 『ちょっ!?何であなたはそういう余計な事を言うんですか!変な噂立ったらどうするんです!?』 『落ち着けよ警部殿。あんたの目の前の刑事たちが困惑してるぞ』 あ、と言い俺たちの存在に気づくと警部は咳払いして高山を一睨み。彼はおお怖いと苦笑しながらその後は黙る。どうやらこの2人、高山の方が年上のようだ。 『……話はずれましたが、あなたたちに来てもらったのは他でもありません。最近よく”怪奇事件に遭遇している”ようですね』 俺たちははい、と返事する。すると警部は近くにあった資料をパラパラとめくると、 『これから、いくつか質問させてもらいます。もちろん話したくない、答えたくないなら黙秘しても構いません』 俺たちは首を縦に振る。それからもう1つ、と警部は言うと、 『嘘をついたりして、何かを隠そうとしても無駄ですから。もしそうした場合、……”貴方たちに明るい未来は無い”とだけ言っておきましょう』
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