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結末1
「なにこれ。いたずら、だよね?」
そうぎこちなく笑った横で、気付いちゃった。
彼女には、メールが来なかったんだって。
教室の中で、深刻な空気が広がりはじめて、ざわざわしだして。でも、本当にどうしたらいいのかなんてわからなかった。その時は。
しばらくして、話し合いが行われた帰り道。
仲のいい友達にメールは届いていなかったけど、自分が生き残る未来を模索するため、一緒にいつも会議があるときは参加していた。
どうしたらいいかの答えはまだまだ出そうにないし、こうしていられる時間がどこまで残ってるのかなんてわからない。
でも、ここ数日いろいろな人と話してみて、思った。
みんな、いろいろな考えを持っていて、どうしても譲れないことがあったり。同じところを目指していても、違う考え方で違う方法を思いついたり。単純に、他人の考えをただ認める。それだけのことだけど、一筋縄ではいかないなって、難しい大人の世界の端っこを、覗き込んだみたいな気がした。みんな、真剣に考えているからこそ、衝突しちゃったり、喧嘩になっちゃったり。
なんて、どこかのんきに考えながら、夜の街を歩く。
「いつまで、この話し合い、続くのかな」
ぽつん、ととんだ地はそんなことを言って、でも、嬉しそうにへへって笑って。
当たり前の、穏やかな夜が流れてる。
この当たり前を、いつまでも続けられるよう願った。
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