俺の心はあいつが良く知っていた。

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栗原 蒼〈クリハラ ソウ〉は、大学3年生。 そして生まれてこの方、女の子に不自由した事がなかった。 顔が良いと言うのは得だ。何にもしなくても女が寄ってくるし、向こうから「抱いて」とお願いされ、適当に応えてきた。 蒼もそんな自分に自信があったし、「俺が落とせない女はいない」とゲーム感覚でモノにもしてきた。 だけど最近蒼はモテすぎで困っている事があった。 ……とうとう、男にもモテてしまという事。 広い構内で、人の目があまり気にならない場所にある大きな木の下で、2人は並んで座っていた。 「蒼!今日は蒼が好きな炊き込みご飯だぜ!」 「あ……あぁ……」 毎日蒼にお弁当を持ってきてくれる水瀬 壱太〈 ミナセ イッタ〉。少し体格のいいスポーツマンって感じだが、その料理の腕前は女子顔負けで、美味くて蒼は壱太の弁当を断れずにいた。 「美味いか?」 ニッと白い歯を見せてとてもいい笑顔を見せて笑いかける壱太。それに複雑な顔を浮かべながらも蒼は返事をした。
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