なぜ小説を書くのか

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 何か思いを持って小説を書き始めた人も、何気なく小説を書き始めた人もいるだろう。そしてどちらであろうと、小説という形態を選び書き始めた事の元になった意識がないはずはない。  それはきっと人によって違うだろう。物語が好きだとか、文章表現が好きだとか、文字を書くのが好きだとか、様々だ。人に依ってはそれらが同時にある事もある。  別にそれについて是非を述べる積もりは更々ない。重要なのは、それが書き手の癖になるという事だ。  意気揚々と書き始めて、途中で結局書けなくなる人は多い。そこに必要なのは、なぜ小説を書き出したのかだと思う。初心に返るという事だ。  物語が好きなら、物語を考えるのがいい。どういう物語にしたいか、そこを詰める。特に何が書きたいのかという部分に注視して書く。始めたからには、描きたい部分があるはずなのだ。大冒険だとか、恋愛だとか、何でもいいが、一番描きたい部分があるはずだ。それを先に描いてしまって、必要な物を後から集めていく。そうした方が、余計な労力も使わないし、モチベーションも下がらない。二作、三作と書かないのならば、それ以外の話なんて蛇足でしかないのだ。  文章表現が好きなら、それを活かせる展開を描く。物語なんてどうだっていいんだ。大きな世界を書かなくても、設定だけある程度考えておけば勝手に存在している風に想像してくれる。書きたい表現を書いたら、後はそこを説明する為の話を付け足し付け足し増やせばいい。変に凝る必要はない、だってただ説明する為の話なのだから。  文字を書くのが好きなら、慣れない内はとにかく短い話を書くのがいい。ただ文字を書くだけでいいと思っているからこそ、だらだらと書くばかりでは自分でも意味が分からなくなってしまう。書くのが楽しいからといって、終わりがないのは辛いもの。区切りは大切だと思う。短い話を書き続ければ、自然と腕は上がっていくだろう。
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