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「神崎さんっ♪」
あぁ、可愛い
なんて言ってる場合じゃない。
ここは楽屋であり、一応美容室で働いてたことのある私を「ちょっと髪型かえてもらう~」なんていいながら引っ張ってきた張本人
「ん?」
いや、ん?じゃないですよ手越さん…
凄い視線が突き刺さってきてるし、
作戦開始からスグ、お二人が撮影してる間の楽屋
つまり、手越さんと増田さんだけの楽屋に
私が入っている
「ココ編み込んでほしいの、こぅ、シューって!」
身振り手振りで伝えてくる手越さんの金髪に手を伸ばした
サラサラだ
黒髪でいるのなんて見ないのに傷んでない…うっとりしながら編み込んでいく
「ふふっ♪くすぐったぁ~い」
楽しそうに笑ったのを断ち切るように声が響いた
「手越、今日の夜空いてる?」
これは確実に牽制ですね
ほら、こんなに愛されてるのに。
「ん~?今日はちょっと…ね?」
明らかに空いてるでしょうがアナタ…しかも私に振らないでくださいよ…
協力すると言った以上は、と気まずい顔で頷き返した。私、女優になる素質があったかもしれない←
「ふ~ん、そう。」
ショックを受ける素振りも見せない赤髪の彼になんだか私まで燃えてきたきがした
こうなったら徹底的にやってやる!!!
それからお二人も帰ってきて、入れ替わりで帰ろうと思った私の腕を誰かが掴んだ
「もう行っちゃうの~?」
ギョッと2人がこっちを見たのはわかったけど
ここでも視界の隅にいる赤髪は微動だにしなかった
「夜に、また」
怪しいな~自分。
精一杯の演技でこれから修羅場になるであろう楽屋のドアを閉めた。
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