嫉妬

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だから本心なんて見せたくなかったのに。 「もう、やめて、まっすー……怖い」 テレビではいつも明るくポジティブな手越が、今、目の前で泣いていた なんで、こうも上手くいかないんだろう。俺たちの恋愛は。 ごめん、そう言おうとした瞬間に手越の声が重なる 「…………して」 「手越?」 「めちゃくちゃにしてよ、まっすー」 何を言われたのか理解するまでに時間がかかったけど直球にとってはいけない気がした だって、とめどなく涙が溢れているから 「もぅ…いいから。」 堰き止めていた何かが解かれ、一気に溢れ出した 「愛とか要らないから、…何でもいいの。セフレだっていい。イライラしたときに殴ったって文句言わないから、」 手越。と止めに入った声も彼には聞こえていないようで 「お願い、嫌いにならないで、離れていかないで」 「手越!!」 びくっと揺らした細い肩を抱きしめる 「ごめん……ごめん。傷つけて」
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