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どうしてただ一緒に居てただ楽しそうに話しているというだけでそう考えるのだろうか?どうして普通のクラスメイトで、他のこと仲が良いとは思わないのだろうか?
そこが不思議でならないのだ。もしこの場にあの変態厨二病の緑川が居て、この話を聞いたらあいつのSAN値が下がっただろう。
一日でどれ位SAN値を減らしたのだろう。今考えただけでも自分のがガクッと下がった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・ん?
「どうしたの?なんか渋い顔してるけど」
「ううん。何でもない」
自分でも渋い顔をしていること位分かっている。そんな顔はしたくないのだが、どうしてもそうなってしまうのだ。
今窓硝子の傍に座っているのだが、それが鏡のように反射して店内の景色が映っているのだ。そして、その鏡のように反射した硝子には人の青春を覗き見している俺の母親にそっくりな人間が映っているのだ。
あれは絶対に偽物だ、ただ顔が似ているそっくりさんだ。そう思わないとどうしても視線が後ろを向いてしまいそうだ。
いや、あれはただのそっくりさんではなく母さんにそっくりな変態だろう。さっきから気持ち悪い位ニヤニヤしている。
「あれは人違いあれは人違いあれは人違いあれは人違いあれは人違いあれは人違いあれは人違いあれは人違いあれは人違いあれは人違いあれは人違いあれは人違いあれは人違いあれは人違い・・・・・・」
「ど、どうしたの明音ちゃん?急に何かをぶつぶつ言いだして・・・・・・」
つぐみが不思議に思ったのか、そう言いながら顔を覗き込んで来た。
こうでもしないと視線が後ろに行ってしまいそうだからです。見なくても分かるけど、タブレット端末で写真を撮っているのだ。
あの変質者、通報されないかなぁ・・・・・・。あ、でも一人だけ変に思ったのかあの変質者を冷たい目で見ながら、聞こえないように携帯で誰か連絡してる。
多分警察だろう。ホント、ああいう輩が健全な男子・・・・・・基女子高生を狙うってすこぶる不愉快になる。
だからなのか、通報されていると知ったらとても清々しい気持ちになる。
「あ、そうそう。そう言えば最近新しい映画の上映が始まったんだけど今度一緒に観に行かない?」
丁度俺が手に持っているハンバーガーを半分程食べた時、天音がそう言いだした。映画か、中学生の時は勉強とかが忙しくてあまり行ってなかったな。
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