第四章 色々ヤバい奴が来た

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 握手を求めているのだろう。やれやれ、和希といいリズといい一度会った人物ともう一度初めましてを言わなければならないとはな。 「ところで明音、貴女って九重君の連絡先知ってる?」  ほい来た。訊いてくると思ったよ。  こいつは異常なまでに俺のことを好いている。だからアイルランドに留学した(という設定)から電話以外での連絡は取れない(っと思い込んでいる)ので家族(という設定)である俺に正宗の連絡先を訊いてくると思ったのだ。  だが---- 「ごめんね。あたし、年に二位しか正宗と会う機会が無くて連絡先は交換していないんだ」  っと誤魔化す。 「そう・・・・・・。それは少し残念だわ・・・・・・」  大島は俺と連絡が取れないと知った途端、急に暗くなる。どれだけ好いているんだよ。  もし本当に俺に双子の姉が居て、それで本当に俺がアイルランドに留学しててその時に姉が大島と会って連絡先を聞き出され、俺の連絡先を突き止めた大島はウザい程に電話を掛けてくるに違いない。  そしてアイルランドのどこに居るかも突き止めて追いかけてくる、とかいうのは止めて欲しい。それは完璧ストーカーという犯罪行為ですから。 「せめてもう一度でいいから九重君の声を聴きたかったなぁ・・・・・・。そうすれば、残りの三年間ヤル気出たのに・・・・・・」  声を聴くだけでそこまで頑張れますかそうですか。 「ところでみんなはこれからどこに行くの?」  少し暗い表情を見せた後、直ぐに立ち直ってこれからどこに行くかを尋ねて来た。別に答えてやっても良いけど、まさか付いてくるとか言わないよな? 「今からこのメンバーでどっかしらのファストフード店に行くんだが、良かったら大島も来ないか?」 「ん~・・・・・・、行きたいのは山々なんだけど今からバイトだから行けないんだ。ごめんね、折角誘ってくれたのに」  なんだ、バイトで来れないのか。なら少し安心。 「そうか。なら、また次の機会に誘うよ」 「うん、ありがとうね佐々木君」  大島はそう言って俺たちが来た方向に向かって走っていった。そういう俺たちも、大島は北方向に向かって駄弁りながら歩いて行った。  そう言えば皆さっきからファストフード店としか言っていないけど、どの店なんだろうか?マックか、はたまたモスバーガー(正式名称モスクワバーガー)か、ファーストキッチンか・・・・・・。
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