第1章

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 食糧よし、水よし、懐中電灯にレインコート、軍手にマッチ、その他もろもろよし。  この防災グッズのような品々をリュックに詰めて背負い外に出た。  これで今日は何があっても大丈夫!  何しろわたしは異世界に召喚される体質。しかも、身ひとつで。  コンビニに行く途中で召喚され、魔王を倒したことがある。  物置の整理をしようとした日は絵本の世界に吸い込まれ、伝説の靴べらを探した。  しかし今日は何もなかった。  まあ、そう都合よく召喚されないよね。  明日も早いし、風呂に入ってさっさと寝よう。  自宅の風呂だし、タオルで前を隠す必要もない。  湯煙の向こうは異世界だった。  また身ひとつで召喚されたんですね理解しました。 「我らの神殿へようこそ、破壊神さま」  神官らしき男が言った。 「うん、来た」  わたしも慣れたものだ。  とりあえず湯冷め確定。
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