ちょっとした後日談

2/2
前へ
/21ページ
次へ
あれから、何年が経っただろう。 私は過去にメールを送れるサービスが作られた事を聞いて すぐにモニター申請を送った。 そして、今、 そのメールを送れる端末がとうとう家に来たのだ。 丁度良い機会だから、と 小学校以来、ずっと仲良くしている明日子…昔のハルカワさんも、 家に呼んで、コタツにもぐりながら メールの文面を考える。 「どうしよう。過去の自分にメール送るのって恥ずかしいなぁ。」 「んー? あっ、なら、私が書こうか?」 「えっ、そんなことしたら未来変わっちゃうよね?」 「昔、夕那ちゃんがメール見せてくれたけどさあ。 あのメールの夕那ちゃん、すごく明るくて 未来はあんなに明るい夕那ちゃんになるんだろうなーって思ってたの」 「……そういうこと?」 「きっとね! よし、私が直々に昔のユウナちゃんにラブレター書くよー。」 「やめてよ、恥ずかしい。」 「けど、あのメールでわりと助かったんだよね?」 「その後のメールの方が好きだったけどね。」 「くやしい!」 「知らないよ、そんなこと」 「絶対、後のメールよりもいいの書く!」 拝啓、昔の私。 どうやら、未来の私のメールは、 未来の遥川 明日子が書いたものだったそうです。 あのメール二つとも明日子だったのを知って 今の私も、貴方の助けになりたかったなぁって気分です。 恥ずかしいから、こんな内容のメール送らないけどね。 ううん、そうだね。一言だけ送るなら。 「ちゃんと扉は開けること」
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加