憂等生の私のこと

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「空木 夕那ちゃんへ。 水曜日のカーネーション、夕那ちゃんだったんだね。 私はたまに水やりを忘れちゃうのに、 お花が枯れたことがなかったから どうしてかなって思ってたの。 水曜日には必ず新しいお花が入れてるよね。 大体は白色の先っぽがピンクや水色だったりする カーネーション。 あれがとっても好きだったんだ。 いつも、あの花が見たくて 毎日学校に来れていたんだ。 知ってるか分からないけれどね、 私はあの花があったから学校に来れていた時期があったんだよ。 けれど、水曜日になると必ずカーネーションは 色が変わってて、それがとってもきれいだった。 だから、毎日がんばろうって思えたんだ。 それで、今日は水曜日。 それなのに、花の色が変わってなかったから やっと、その花を入れていたのが 夕那ちゃんだって気付いたの。 正直に言うと、夕那ちゃんは 私の事はよく思ってなさそうだったから 行くのはちょっとこわい。 けれどね、夕那ちゃんに ありがとうって言いたくて、言わないといけない気がして 今から夕那ちゃん所へ行くね。 あ、メールアドレスはききました。ごめんなさい。」
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