第壱話『ライブジャック犯は、ゴスロリ少女!?』

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 曲が鳴り止むと、盛大な拍手が場内を賑わした。私も手が痛くなるくらい夢中で拍手する。 「もう一曲、薔薇の歌いきます。『薔薇庭園夜想曲(ローズガーデン・ノクターン)』」  ♪☆・♪☆・♪♪♪・♪・♪?♪♪・♪☆・♪♪♪・♪・♪・♪?♪♪☆・♪・♪♪・♪♪♪ 「♪満月の夜に♪ ♪蒼き光捧げる♪ ♪薔薇の庭園♪」  どちらも初めて聴く曲だったが、絶対少女聖歌とはまた違ったエレガントな曲調に、ユニークな歌詞が乗った、聴いていて気持ちのいい歌だった。  エレナ様が歌っている間、二人のオカマのダンサーが、ステージの周囲で優雅に、時には怪しく、バラエティ豊かな踊りを披露した。  見た目とは裏腹に、超一流を思わせるレベルの高いダンスで、見ていて飽きない。  ♪・♪・♪♪・♪♪?♪♪・♪♪☆♪♪☆・♪♪♪?♪♪・♪♪・♪・♪♪?♪♪・♪☆♪☆  あっという間に、二曲とも終わってしまった。これやばい、もっと聴きたい! 「最後に、本日のライブジャック犯を、紹介します。ぴょこぴょこ踊っていた、ダンサーのピョコ蔵!」 「違うわよ! 私の真名(まな)はシャーリプトラ・アルテミスよ☆」 「長いから、ピョコ蔵にしましょ」 「ひどいっ!」  エレナ様とピョコ蔵さんの掛け合いが面白くて、場内から笑いと、賛同の拍手が鳴り響いた。 「もう一人、ダンサーのアッサムティ!」  アッサムティと紹介されたダンサーは、軽くお辞儀をしただけで喋らなかった。無口キャラなのか、シャイなのか。 「バイオリンを演奏してくれたのが……」  バイオリンを演奏していた二人は、ダンサーと違って普通の名前だった。どちらもお辞儀をしただけだったが、とても紳士的な感じだった。 「キーボード、椎名ショウ!」  両手を挙げて観客へ手を振った後、椎名ショウさんは、シルクハットの天辺からカエルのぬいぐるみを出現させた。 「その帽子に、そんな仕掛けがっ!?」  エレナ様がすごく驚いていた。本当に知らなかったらしくて、その様子が面白く、観客席からも笑い声が溢れていた。 「そして、ボーカル。都城エレナ」  最後に自己紹介したエレナ様。盛大な拍手が沸き起こった。 「今日は、ありがとう。次は学院の外で、お逢いしましょう」  ステージ裏へ退場していくマジゴシ御一行様(ごいっこう様)。 「エレナ様!」
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