第17話

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ただ涙が零れる。 もう、群青の空は見えない。 自分から幸せを求めることができた。 「ね。約束、覚えてる?」 「約束?」 「結婚するって言ったんだよ。俺と江茉」 「……それ、いくつの時の話?」 「その日から俺の婚約者は江茉だけど」 「子供のままごと、本気にしたの?」 「おじさんとおばさんに誓ったから。あと、ウメさんにも」 「ウメさん?」 「亡くなる前日かな。帰国して会いに行ったんだよ。『あの誓いは絶対守るから』って」 「……」 「嬉しそうな顔してた」 こつん。 と、おでこをあわせる。 景くんの動きが止まり、ベッドの軋む音が止んだ。 目を閉じて呼吸を整える彼。
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