第1章

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『嘘だろ……』  場所まで当てやがった、しかもお母さんが知ってるだってぇー。終わった。俺の人生終わった。友達にですらエロ本を持っているなんて言っていないのに。  そんなこと興味ありません。周りにはそんな風に振舞っているのに。 『あ、隣の部屋に先生がいるから気をつけろ』  心臓が大きく跳ねた。静かに扉へと近づいて、本当に先生がいるのか確かめることにした。視聴覚室から隣へとつながっている扉には、小さい窓がついていた。恐る恐る覗くと、 「はっ!!」  思わず小さな声が漏れた、そこには担任と音楽の美人教師がいて、二人は俺に見られているとも知らず、抱き合っている。  まてまてまてーーーーい。ん? どういうことだ??  二人はお互い、既婚者のはず……。見てはいけないものを見てしまった。するとまた携帯が震えた。 『今見たことは、誰にもいうなよ』  確信した。本当に一年後の俺らしい。 『わかった、信じる』  俺は元いた場所へと戻った。まだ心臓がドキドキしている。いや、今からしようとしていることに、ドキドキしているんだろうか。 『俺を信じろ。お前は絶対に成功する。最高なもんが見れるぞ、頑張れ』  ゆっくり、窓の外に目を向ける。1階へと視線を下ろしていくと、窓が開いていた。  
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