2人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
『嘘だろ……』
場所まで当てやがった、しかもお母さんが知ってるだってぇー。終わった。俺の人生終わった。友達にですらエロ本を持っているなんて言っていないのに。
そんなこと興味ありません。周りにはそんな風に振舞っているのに。
『あ、隣の部屋に先生がいるから気をつけろ』
心臓が大きく跳ねた。静かに扉へと近づいて、本当に先生がいるのか確かめることにした。視聴覚室から隣へとつながっている扉には、小さい窓がついていた。恐る恐る覗くと、
「はっ!!」
思わず小さな声が漏れた、そこには担任と音楽の美人教師がいて、二人は俺に見られているとも知らず、抱き合っている。
まてまてまてーーーーい。ん? どういうことだ??
二人はお互い、既婚者のはず……。見てはいけないものを見てしまった。するとまた携帯が震えた。
『今見たことは、誰にもいうなよ』
確信した。本当に一年後の俺らしい。
『わかった、信じる』
俺は元いた場所へと戻った。まだ心臓がドキドキしている。いや、今からしようとしていることに、ドキドキしているんだろうか。
『俺を信じろ。お前は絶対に成功する。最高なもんが見れるぞ、頑張れ』
ゆっくり、窓の外に目を向ける。1階へと視線を下ろしていくと、窓が開いていた。
最初のコメントを投稿しよう!