第1章

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 とにかく全速力で逃げたが、担任にはかなわず。捕まってしまったわけで……。しばらく二人黙って息を整えた。もう逃げれないな……と諦めたとき、また携帯が震えた。  なんて俺は馬鹿なんだろうか……、やっぱりいたずらだったんだな。一年後の自分なんて信じるんじゃなかった。 「お前、女子更衣室……覗いていただろ」  担任は仁王立ちになって俺を見ている、周りには幸い誰もいない。何も答えずに、黙っていると、 「なんとか言いなさい」 静かに聞いてきた。覗いてました、なんて言いたくないと思っていると、 「もしかして、隣の部屋も覗いたのか??」  そう聞かれた。  これは正直に言うべきか。  ふと思い出した。『このことは誰にもいうなよ』一年後の自分だという人がくれたメールだ。  その質問にも黙っていると、 「見たんだな……」 ぼそっとつぶやき、担任は座り込んだ。そして、 「お前、覗きはするな。俺もこんなことは辞めるから。これは、二人だけの秘密にしよう」 「えっ!?」  先生の言葉に耳を疑った、処罰がないということは俺にとってはありがたいことだ。ましてや、女子更衣室を覗いていたなんて、誰にも知られたくなかったし、そうして頂けるなら、ありがたい。 「わかりました」  その後、担任のことは誰にも言わないと約束をした。あと、俺のことも誰にも言わない、二人だけのひみつにしようと話して別れた。
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