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『やっと帰ったな』
階段の一番上から外を覗くとパンサーは大きな欠伸を一つして、身体を伸ばした。
いつしか雨は止み気付けば夕方。
咲と志紀にランチまでご馳走した。志紀に至っては珈琲を三杯もお代わりし、それでも千琉に「絶対にお前の尻尾を掴んでやる!」と言って帰った。
――何だか妙な話だった。
千琉はカップを洗いながらそう思った。
五軒先の空き家。そこの二階の一室で真衣は亡くなっていた。聖キャンデラ女学院の制服を着て――。
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