真衣の遺体

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『何を調べるか分かっているのかしらね?』  ミルが意地悪そうに呟いた。 「今日のあなたは随分と冷たいですね」 『あら、そう?……そうね。ずっと猫かぶってた……かしらね』  ミルはクスクス笑うとカウンターの上に飛び乗り舌をペロッと出して前脚で顔を洗い始めた。千琉はしばらくミルを見て、それからツキの方を見た。ツキは出窓に座り少し日の傾いた空を見ている。 「ツキ……とノア。お二人にもお願いがあるんですが」  千琉はそう言うと立ち上がり、レジのある台の下から紙を取り出し近付くにあるペンで何かを書いた。そうして綺麗なハンカチを出しハンカチで紙を包み込む。 『何をするの?』  ノアが近付くと千琉はハンカチを持ったままゆっくりとツキの方に歩み寄った。
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