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ツキとノアが猫カフェから出ると毛繕いを終えたミルがタロットカードの入っている棚の方をチラッと見て口を開いた。
『ねぇ。もし……あのタロットカードが恋愛を占ったモノだったとしたら、どんな意味になっていたの?』
「……今日は皆さん、初めて見せる言動が多いんですね」
千琉はクスリと笑うとカウンターの方へ行き棚からタロットカードを取り出した。そして、少し前に見せたカードを取り出し、ミルの前に一枚一枚並べていく。
「先ず、一枚のカード。『皇帝』の正位置。このカードが最初に出るという事は……」
千琉が『皇帝』のカードを指差し説明しようとすると、ミルは眉を寄せた。こんな時の千琉はやたらと長く説明しようとする。ミルは元々、タロットカードの云々には興味がない。
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