第1章

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「ちょ…!長い!長いし嘘くさい!! 何よ!とある組織って!!」 あまりのバカバカしさに、笑いながらも読み進める。 初夏の爽やかな風が、校舎の縁に立つ私のスカートを少しだけ捲って通り過ぎる。 あと一歩踏み出せば、未来の私は改造人間にされてしまうらしい。 昔、お兄ちゃんと一緒に変身ヒーローの番組を見ていた事を思い出した。 いつも私が悪役で、お兄ちゃんにヒーローキックを受けては泣いていた事もついでに思い出した。 この文を読む限りじゃ、このまま飛び降りたら私は正義のヒーローになれるんじゃない? あれ、本当はさっきまで怖かったのに、飛び降りる事がちょっとだけ楽しみになって来た。 さぁ、未来の私、私の未来はどうなるの?
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