第1章

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死にたいほど辛いのは解る。だって貴女は私だもの。 でも、今飛び降りても貴女は死ねない。 死ねないどころが改造人間になって悪の組織の手先となって愛する人を殺してしまうのよ? 殺してしまった後になって漸く正気に戻るの。 そして組織を裏切る。 逃げても逃げても追ってくる組織の連中と戦うだけの毎日。 家族にも、少ないけれど確かに居た友達にも会えずに、一人孤独に戦うの。 ときには腕をもがれ、足をもがれても、それでも死ねずに戦うの。 それは想像を絶する程の絶望よ。 今の悩みなんて笑い飛ばせる程にね! だからお願い。未来を変えて。 貴女にしか出来ない事だわ。 過去の、15歳の、今の私にしか出来ない事なの。 このメールを読み終わったら、空を見てみて。 きっとそこには雪白の三日月が見える筈。 その月を見たら、貴女は一歩、後退するの。 そしてフェンスの隙間を通って、屋上に戻りなさい。そして家に帰るの。 ゆっくりお風呂に入って、暖かい布団で寝るの。 そうすれば、きっと貴女の世界は変わるから。 愛する人と、いつまでも仲良く過ごすの。 私を虐める最低な奴達の事なんか気にする必要無いわ。天罰が下るから。 それじゃ、最後まで読んでくれてありがとう。過去の私。 未来の私の運命が変わる事を祈っているわ。
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