第1章

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「…天罰…?あいつらに…?」 もしもそれが本当なら… ふと空を見上げると、夕方の空に白い三日月が薄っすらと昇っていた。 「雪白の三日月…」 私は一歩後ずさると、そのまま通って来たフェンスの隙間を抜けて帰ろうとした。 「待って!!」 ふいに腕を掴まれて、そのまま誰かに引っ張られて、フェンスに引っかかりながらもフェンスの内側に戻った。 「きゃっ!?え!?だ、誰!?」 ぎゅうっと抱き締められて、息も出来ない。 私を抱き締めているのは、制服と力強さから男の子だと解る。 「飛び降りなんて…自殺なんてしないで…」 「え…?」 「ゴメン…ここまで悩んでいたなんて、俺、知らなくて…気付いてあげられなくて…ゴメン…」 この声はよく聞く声だ。 そう。私のクラスの委員長の声だ。 何度か私を助けてくれた事もある。 「い…委員長…」 「ゴメン…もうこんな思いはさせない…! だから、死なないで…!」 カァッと顔が熱くなるのが解った。 私は委員長を力の限り突き飛ばすと、「もう!死なない!」と叫んでそのまま逃げる様に家に帰ってしまった。
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