2.

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信じたくないが、私は何かを間違ってしまっている。 だけど、どこをどう間違ったのかは分からない。 ただ、こんなに見せ付けられれば、分かりたくなくても分かる。 国崎が好きなのは自分じゃなくて、真梨香だ。 でも、それならどうして国崎は昨夜、自分に告白なんかして来たのだろう。 からかわれたのか……、でもそんなことを出来る人には到底見えない。 それとも、誠実そうに見せて、そんな姿を隠しているのか……。 「……おい、アイツいいのか? 」 ぐるぐると考えていたら、志水の声が聞こえて我に返った。 「いいんですよ。約束してる訳でも無いんだし 」 「モテるねぇ、安倍さん。 アレ、彼氏じゃないの? 」 「やぁだ冗談、やめてくださいよぉ。 そんなことどうでもいいから、早く美味しいもの、食べにいきましょうよ 」 ザリッ……と、心臓を引っ掛かれた気がした。 どうでもよくなくなんか、ない。 少なくとも、自分には……。 二人に付いて歩きながら曲がり角を曲がる直前、国崎の方を見ると、男はまだそこに立っていた。 プラタナスの影で、肩を落とした背の高い後ろ姿が見える。
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