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「痛っ! 」
バン! と叩かれる背中に、『遠慮なんか全然していないのに』と思う。
真梨香は悪い子では無いのだが、出逢った時から、いちいちくららと張り合おうとする節がある。
苛つくのであれば自分となんか一緒に居なければいいのに、気が付けば側にいるのだ。かと言って、私に負けを認めさせたり、誉められたりしたい訳でもないらしい。
前に一緒に出掛けた時、女の子らしい可愛い服を誉めたら、「ばかにして 」と怒られた。本当に可愛いらしかったから言っただけだったのに。
あの時の事は、未だにどうして怒られたのか分からない。
チラリと横目で隣を見ると、案の定機嫌の悪くなった真梨香の姿が見えた。
やっぱり面倒臭いことになりそうで、くららは宮沢に気付かれないように小さくため息を吐いた。
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