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くららが宮沢から言われたイタリアンテイストの居酒屋に着いたのは、合コンが始まって一時間半程経った頃だった。
最初から参加しようとは思っていたのだけれど、仕事を終わらせてあがる寸前に課長から呼び止められたのだ。
どうしても緊急で得意先から見積りが欲しいと言われ、課長はこれから直ぐに役職会議があるので困っているという。
暗にやってくれと言っているのだが、それをくららは快く引き受ける。気の乗らない飲み会よりも、仕事の方がいいかもと思ったからだ。
勿論待っていた真梨香は膨れるが、宥めて先に行っておいてもらうようにした。
もしかしたらお開きに近い時間かとも思ったけれど、想像以上に場は盛り上がっている。
「あっ、羽泉さん! お疲れ様ー! 」
くららが覗くと、目敏く見付けてくれた宮沢が席を立って寄って来てくれた。
参加者は男女ともに、七、八人づつだろうか。
男性達に見知った顔は無かったけれど、女の子は会社の見知っている子ばかりだ。
普段交流の無い支社の子も居て、改めて人懐こい宮沢の交友関係の広さに感心する。
そして何より、思ったよりも人数が多くて安心した。 これなら、遅れても迷惑は掛けていないだろう。
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