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皆からの注目と拍手に、かぁっと頬が熱くなって、くららは慌てて頭を下げた。しかもあろうことか……。
「おーい、片桐! お待ちかねの『羽泉さん』だよ! 席代わるからこっちに来なよ! 」
よりによって、宮沢が呼んだのは真梨香の隣りに座っていたイケメンで目眩を感じる。
「宮沢、お前はそんな露骨に…… 」
片桐と呼ばれたイケメンは、苦笑いしながらも否定はせずに席を立ち上がった。
「何よ、アンタが会わせろ会わせろってうるさかったんでしょ? 」
「ハイハイ、感謝してますよ 」
すれ違い様、二人はパチンと手を合わせる。
あぁもう、 また真梨香の機嫌が悪くなる。
考えるだけで頭を抱えたくなった。
真梨香とは、鬱陶しいからと放っておく訳にもいかない距離だから。
ストンと椅子に腰を落としたくららの隣りに、人が座る気配がする。
「羽泉さん、何飲む? もう一度乾杯するらしいよ 」
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