第二章 俗に言う、前途多難かよ!

4/39
3411人が本棚に入れています
本棚に追加
/1121ページ
元が日本気質なせいか、それなりに礼儀を重んじている この世界でも礼儀というものは存在するし、有名校なら礼儀作法は一通り出来るだろう しかし出会い頭から自己紹介もせずに初(しょ)っぱなから騒音並みの声でマシンガントークを浴びせられた事に俺は自分を制するのに精一杯だった 最低一年間は彼と同室なのだから、と暗示に似た思考で、何とか友好的になる努力をつとめる 紫「えーと…シエンです 新入生なので至らぬ所があるでしょうがよr 「敬語なんてやめろよ!オレ達、もう友達だろ!?」……」 人の話を聞け! 出会って数分も経たない相手が友達になれる訳がねぇだろ!! (#`ロ´) この時、引きつりそうな笑顔を保ちつつハリセンを出しそうになる衝動を抑えた俺に拍手を送りたい と言っても笑顔はウィッグで半分隠されているので、意味があったのかは不明である 根暗の姿の時は、シエンという生徒の設定なので、何も出来ない 紫「い、いえ いくら同室とは言え、年上に敬語を使わないのは周りにおかしく思われますので遠慮させて下さい」 「えー!何でだよ!?」 何でもへったくれもあるかボケ! この場に使い魔達がいれば無言で頷いてくれただろうが、今はいない 耐えるしかない 騒音にしかならない相手の文句をのらりくらりとかわし、荷ほどきを名目にして寝室という小部屋に滑り込んだ あのままでは精神汚染がひどくなる、という判断だ
/1121ページ

最初のコメントを投稿しよう!